三分怪談

3分で読めるホラー掌編

第十二話

発信履歴

2026.08.13

朝、スマホを見ると、深夜三時に母へ電話をかけた履歴が残っていた。

かけた覚えはない。寝ぼけてかけたにしても、通話時間は「0分0秒」。呼び出して、すぐ切れたのだろう。念のため母に電話して謝ると、母は不思議そうに言った。

「昨日? 出たわよ、ちゃんと。あんた、『そっちに行っていい?』って聞いてきたじゃない」

私は何も言っていない。そう説明しても、母は「声、あんたそっくりだったけどねえ」と笑うだけだった。

発信履歴は、それから毎晩残るようになった。時刻はいつも三時。通話時間はいつも0秒。母に確認するたび、「行っていい?」と聞かれたと言う。母はいつも「いいよ、おいで」と答えているらしい。

「お母さん、次は絶対に断って。いいって言っちゃだめだ」

「あら、どうして。楽しみにしてるのに」

今朝の履歴は、少し違っていた。

発信時刻、三時ちょうど。通話時間、四十二分。

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